ジュニアギア規則の解説

日本自転車競技連盟 競技規則 ジュニアギア制限の解説(2016年版)
2016年5月
JBCF 競技運営委員会

日本自転車競技連盟(JCF)の競技規則においては、18歳以下の競技者について使用できる最大のギア比が制限されております。これは成長期の選手の身体に過度な負荷を与えることによる故障のリスクを回避するためのものであり、JBCFでは各参加チーム・各競技者へ遵守をいただいております。
しかしながら、他団体においては学校学年等で特別な運用をしていること。また、UCIライセンスとJCFライセンスの期間の違いから、競技者の該当するカテゴリ・最大ギア比がわかりにくいところが多分にございます。下記の内容をご覧いただき、競技規則理解の一助としていただければと思います。
なお、本解説の文中に出てくる歴年は2016年を基準としておりますのでご注意ください。
1.競技者のカテゴリ
UCI競技規則およびJCF規則では競技者の年齢によってカテゴリを定めております。
JCF競技規則第6条1.(2) 「本連盟においては,競技者のカテゴリを以下のように定め,さらに性別により分類する.ただし,年齢の基準は,各暦年中に達する年齢で区分する.

1. ユース(U13):12歳以下 (2004生まれ~)
2. ユース(U15):13歳および14歳 (2003、2002生まれ)
3. ユース(U17):15歳および16歳 (2001、2000生まれ)
4. ジュニア:17および18歳 (1999、1998生まれ)
5. アンダー23(U23):19~22歳 (1997~1994生まれ) ※男子のみ
6. エリート:23歳以上 (1993~1987生まれ)
7. マスターズ:30歳以上の競技者でこの区分を選択した者.(~1986生まれ)

年齢は競技規則の条文に書かれている通り、登録年の間に達する年齢で区分されます。よって登録時(4月)に16歳である8月生まれの競技者は、カテゴリ上ジュニアと区分されます。
注意点としてはカテゴリの適用期間は1/1~12/31でありますが、JCFのライセンス登録期間は4/1~翌年3/31となっているため、翌年1/1以降はカテゴリが変わってしまう可能性があります。また、早生まれの競技者は学年とカテゴリが一般的なイメージとずれるため(例:早生まれ大学1年生はジュニアカテゴリ)、わかりにくいことがあります。

2.ギア比制限
UCI競技規則では、ロードレースにおいてジュニアの競技者は最大ギア比をペダル一回転させたときの距離が7.93m以下となるように制限しております。(UCI競技規則 2.2.023)
JCF競技規則ではさらにユースのU17・U15・U13についてもそれぞれ最大ギア比を設定しております。また、トラックレースにおいても同様のギア比制限を設定しております。(JCF競技規則 第27条4 第28条1.①)
なお、ユース以下のギア比制限およびトラックレースへの運用はUCI規則としてではなく、各国の競技連盟が独自で定めているもので、日本よりも重いギアを容認する国もあればさらに軽いギアに制限する国もあります。しかしながらいずれも競技者への負担を考慮したものであります。
それぞれの制限については以下のようになります。

ジュニア (18歳:1998生まれ、17歳:1999生まれ) 7.93m
ユースU17 (16歳:2000生まれ、15歳:2001生まれ) 7.01m
ユースU15 (14歳:2002生まれ、13歳:2003生まれ) 6.10m
ユースU13 (12歳:2004生まれ以降) 5.66m

充分注意をいただきたいのが、この制限はあくまでもペダルを一回転させた場合に進む距離が定義となっており、2016年4月版JCF競技規則集P.177にフロント/リアのギア比の早見表が掲載されておりますが、表で制限範囲内となっているギアの組み合わせでも、タイヤサイズ等で距離をオーバーすることがあります。とくに昨今では太めのタイヤが使用されることが多いため、タイヤ・ホイールを交換された際は再度確認をされることをお勧めします。
解説は以上となります。ご不明な点はJBCFホームページよりお問い合わせください。